研究者

【ローナ・ウィングの三つ組】
研究者 · 2022/05/23
1981年にイギリスの児童精神科医ローナ・ウィングがアスペルガーの業績を紹介し、多数例の研究から自閉症とは診断されていないが社会性、コミュニケーション、想像力の3つ組の障害をもつ子どもたちがいることに気づきました。 当時、自閉症という診断は、言語によるコミュニケーションが限定されており対人関心も非常に乏しい子どもにのみつけられていて、言葉によるコミュニケーションが可能であったり一方的でも対人に関心がある場合は自閉症とは考えられていなかったのです。 ウィングは3つ組の障害を持っていながら自閉症と診断されない子どもたちの一部はアスペルガーの報告したケースに似ていることからアスペルガー症候群という診断が適切であるとしました。 自閉症スペクトラム障害(ASD)を理解するための概念としてロナ・ウィングが提唱した「Wing の三つ組」があります。 ①社会性の障害②コミュニケーションの障害③常同的・限定的な行動に分けられます。

【アスペルガー症候群の定義】
研究者 · 2022/05/21
1944年、アスペルガー症候群の定義を著したオーストリア人の小児科医。 前年にレオ・カナーにより発表された「自閉症」の記述とは異なり、他者との共感能力を欠落するが言葉の遅れを伴わず、特定の興味ある事柄について極端に没頭するといった特徴を備えた上で、そうした興味の対象に関する知識の豊富さを保持するとされていました。アスペルガー症候群は今では広く知られていますが、この概念が発表された当時(1944年)はあまり広がらなかったのです。 この概念が広まったのは、1981 年イギリスの精神科医ローナ・ウイングが、ドイツ語で書かれたアスペルガーの論文を再評価したことがきっかけとりました。 Asperger,H.:Die "autitistichen Psychopaten" im Kindesalter. Arch. Psychiatir. Nervenkr.,117;76-136, 1944. (原文はドイツ語)

研究者 · 2022/05/19
アメリカ児童精神科医レオ・カナーは1943年に11名の子どもの症状を記述した「情動的交流の自閉的障害(Autistic Disturbances of Affective Contact)」の論文を発表しました。 これらの症候群を「幼児自閉症(early infantile autism)」と呼び、「自閉症」と略称しました。 更に「言葉の発達の遅れ」「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、こだわり」などの自閉症の特徴と知的機能の発達の遅れをもつ障害で、3歳までには何らかの症状がみられるとされ、自身の名前をとってカナー型自閉症、カナータイプなどと呼ばれるようになりました。 (要約) オーストリアで生まれ、後にアメリカに移住したレオ・カナーはアメリカ児童精神科の第一人者とされる精神科医。「自閉症=autism」という言葉は1943年に発表されたカナーの論文「情緒的接触の自閉的障害」(”Autistic Disturbances of Affective Contact”)で初めて使用され、彼の研究は今日の自閉症研究の基礎と言われている。