12.ふだん会話をする時は、私たちは無意識のうちに、相手の話を聞きながら、自分が次に話したいことを頭のなかで組み立てています。一度に複数のことをあたりまえのようにしているわけです。しかし、発達障がいの特性をもつ子どものなかには、ひとつのことに集中するのが得意な反面、一度に複数のことをするのが苦手な子どもがいます。こうした特性が会話のなかであらわれると、「相手の話を聞くだけ」、あるいは、「自分が話すだけ」になりがちです。授業中には、先生の話を聞きながら、黒板の文字を確認し、それをノートに書き写すということが難しくなります。話しを聞くだけ、あるいは、話すだけなど、ひとつずつのほうがうまくできます。また、走ったり、ジャンプしたりするだけならできますが、なわとびやとび箱など、複数のことを同時にするような運動は苫手、という子どももいます。