アスペルガー症候群
アスペルガー症候群 · 2023/01/31
ADHDの子どものなかには、列に並んで順番を待っことを不得手とする子もいます。
注意が別のほうに向いてしまうと、みんなが並んで待っていることに気づかなかったり、最初は並んでいたとしても、途中で「並んで順番を待っている」ことを忘れてしまったりするためです。本人に悪気はないのですが、結果として列に割り込んだりすると、ほかの子どもから「ずるい」という非難を浴びるようになります。
また、友だちどうしで話をしているときに、自分が何か言いたいことを思いつくと、相手がしゃべっていても、割り込むようにして、話し始めてしまうことがあります。相手が言い終えるのを待ってから話せるとよいのですが、いったん話したいことを思いつくと、自制がききません。
こうしたことが度重なると、自分の言いたいことだけ話して、他人の話は聞かない自分勝手な人という誤解を受けるようになります。
アスペルガー症候群 · 2023/01/30
衝動性の強いADHDの場合、「行動する前に考える」ということが苦手です。思いついたことをすぐ行動に移してしまうのです。
たとえば、授業中、先生の質問に手を挙げて、指名されてから答えるという手順を踏むことができません。先生の出した質問の答えがわかると、手も挙げず、指されもしないのに、だしぬけに答えてしまいます。答える前に、一瞬立ち止まって考える、ということができないためです。
友だちなどから悪口を言われたり、いやなことをされたりしたときも、ひどいことばで言い返してしまったり、手をあげてしまったりすることがあります。その反応を面白がって、わざとADHDの子に、ちょっかいをかけたり、からかったりする子どももいます。そういう対象になりやすいということを、先生や親は注意して見てあげることが必要です。
アスペルガー症候群 · 2023/01/29
ADHDの子どもは一定時間、じっとしていることができません。授業中もつねに体のどこかを動かしていることがあります。机やいすをガタガタいわせたり、体を揺すったり、手足をごそごそ動かしていたりします。
なかには着席していることもできず、つい立ち上がってしまったり、立ち歩いてしまったりします。「体の多動」だけでなく、「口の多動」が目立つ子もいます。このような子は、おしゃべりがやめられません。静かにしていなければならない場面で、黙っていることができずに、ついしゃべってしまいます。
こうした特性は、日常の家庭や学校だけでなく、公共の場や、厳粛な式典の席などでも生じます。ADHDが理解されていないと、「行儀の悪い子だ」とか、「親のしつけはどうなっている」といった非難を受けやすくなります。
ADHDにみられる行動特性は、状況や場面を選ぶことなく現れるものです。
逆に、家庭では親の言いつけも守らず、マナーもできていないが、公共の場ではきちんとふるまえるという子どもの場合は、ADHDではないということになります。その場の状況をとらえてふさわしい行動がとれないという点が、ADHDの日常生活上の問題であると
アスペルガー症候群 · 2023/01/26
学校で必要な持ち物を忘れたり、宿題を忘れたりすることがよくあります。宿題の場合は、宿題をやったのに、持ってくるのを忘れてしまうということもあります。逆に、学校で配られた保護者宛ての手紙を親に渡し忘れてしまうケースもあります。
また、委員会や係の仕事があることを忘れてしまったり、友だちと遊ぶ約束を忘れて、待ち合わせ場所に行きそびれてしまうということもあります。
委員会や係の仕事を忘れてしまうと、友だちからは「さぼっている」とみられ、非難の的になりやすいといえます。友だちとの約束を忘れがちになると、遊びに誘ってもらえなくなったり、仲間はずれにされたりするようになることもあります。
アスペルガー症候群 · 2023/01/25
ADHDの行動特性は、自分自身をうまく制御できない(実行機能がうまく働かない)ことが原因で生じるものです。
具体的には、注意を向けなければならない対象に自分の注意を向けることができない、ある衝動がわき起こったときに、行動を起こす前にやってもいいかどうかを、一瞬立ち止まって考えることができない、いま自分が何に取り組まなければならないかということを意識し続けることができない、忘れてはならないことを記憶にとどめておくことができない、といった具合です。
こうした行動特性のために、学校では、先生の指示に従えなかったり、授業の内容がよく理解できなかったりといった不都合が生じます。
また、がまんができなかったり、衝動が抑えられなかったりすることで、「わがままな子」「乱暴な子」といった誤解を受けやすく、友だちとの関係がうまく築けないこともあります。
アスペルガー症候群 · 2023/01/24
アスペルガー症候群の子どもは、時間の感覚にも特異性がみられ、過去と現在と未来がつながっており、時間の流れがあるのだということがうまく理解できないことがあります。これは、記憶にかかわる脳の辺縁系と呼ばれる部位の働きが通常とは異なっているために生じる感覚と考えられています。
たとえば、廊下ですれ違っただけの子をひどくにらみつけたので、「なぜ、そんなことをするのか」と聞くと、「1か月前にその子からにらまれたから」といった答えが返ってくるケースがあります。1か月前や1年前、もっと昔の記憶が鮮明に残っていて、ある瞬間に、いま目の前で起こっているかのように鮮明によみがえってくることがあるのです(「タイムスリップ現象」ともいう)。
なかには、ずっと前に遭遇した不快な出来事が急に思い出されて、パニックになってしまうこともあります。こうした現象は、周囲の人には非常に理解しにくい特性といえるでしょう。