私たちには、危険に遭遇したときに本能的・反射的に身を守る「原始系」と呼ばれる感覚が備わっています。
しかし、成長とともに原始系の感覚は身をひそめ、情報から状況を判断する「識別系」と呼ばれる感覚が優位に働くようになります。
例えば、私たちは「バラのトゲじゃ痛い」ということを知っているので、バラのトゲに自分からはさわりません。
しかし、バラのトゲに気がつかずに、うっかり指が触れてしまったときは、反射的に原始系の感覚が働いて手を引っ込めます。
このように、ふだんは識別系の感覚が原始系の感覚を抑制しながら、そのバランスを保っています。
感覚統合療法では、発達障害の特性をもつ子どもは、「原始系」の感党が暴走しやすく、過剰に自分を防御しやすいのではないかという考えに立ち、識別系の感覚を活性化する遊びを通じて、原始系と識別系の感覚のバランスを整えていきます。