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仕事中に集中できない(聴覚編)

ADHDやASDを持つ人は、頭に入ってくる情報の取捨選択が苦手といわれている。

人の脳には、雑多な情報の中から自動的に必要なものだけを拾い出してくる機能がある。

飲み屋の騒がしい店内でそれぞれのグループが不自由なくお喋りできているのは、自分の話し相手の声だけを脳がピックアップしてくれているからだ。

しかし、ADHOやASDを持つ人は、この機能がうまく働かないことがある。

聴覚過敏と診断される人は、取捨選択がうまくできず周囲のあらゆる音を拾ってしまう。

電話で相手の言葉をうまく聞き取れなかったり、エアコンの音にイライラしてしまったりするとしたら、この聴覚過敏の可能性が高い。

不要な音まですべて意識してしまうので、聞きたい音の内容が判別できなくなってしまっているのだ。

聴覚過敏は、自分でも気づいていない場合がある。「音の聞き分け」という点では自覚はなくても、なぜか職場で集中できなかったり、人混みでは疲れやすくなったりするという形で現れることもある。

これは、本来音を選別することが苦手な脳が、不得意なことをするためにフル稼働している状態といえます。