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約束の時間が守れない

衝動性は、ADHDの基本的な特徴の1つです。

その場の思いつきを、状況や計画なども考えずにパッと行動に移してしまいます。

ときには衝動買いで生活費を使い切ってしまったり、見知らぬ他人に心ない言葉をぶつけてしまったりと、自分の社会生活にも影響を与えてしまうような行動に至ります。

それはよく誤解されるような、”欲望に弱い”というものとは異なります。

確かに欲望に直結したものは、頭に浮かびやすい。結果として、欲望に負けたような行動になってしまうこともあります。

しかし、出かける直前に探しものをしてしまったり、気がついたら危険とわかっていることをやってしまっていた、などというのはもちろん本人の欲望からきているものではく主観的には、体が勝手に動いてしまっている状況に近いのです。

一方でADHDには、過集中という特徴もあります。

一度始めたことは、とことん続けようとする。それは当人が、本来の予定や時間を忘れていなくてもです。

大事な予定の時間が迫っていることはわかっているし、焦ってもいる。今やっていることが別に急いでやる必要もないことも、冷静になってみれば判断できる。だから自分でも自分のことが理解できないし、対処の方法もわかりにくいのです。

ADHDを持つ脳にとっては、基本的に最新のタスク=最優先事項になっているのです。

時間がたって新しい情報が上に重なってくると、予定していた内容の優先度は脳の中でどんどん低くなってしまうのです。

好きなことに手を伸ばしがちなのは、好きなことほど頻繁に脳に浮かんでくるためです。

自分の「脳」という道具の癖を知り、うまく使いこなすことが課題を克服するカギになるでしょう。