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自閉症の特徴①

1.言葉が遅い

2~3歳になってもことばを発さないなど、明らかなことばの遅れがみられます。ことばを話さないだけでなく、ほかの手段によるコミュニケーション(身ぶりや手ぶりを使うなど)も自発的に行おうとしません。障害の重さによりますが、重い自閉症の場合は、終生ことばを発さないケースもあります。ただし、高機能自閉症の場合は、通常より遅れるものの、しだいにことばを覚え、少しずつ話せるようになります。

 

2.目を合わせない

他者と目を合わせようとしないのも、自閉症の特徴です。

これは、赤ちゃんのときに気づきます。

ふつう、生後2〜3か月になると、親が顔をのぞき込むと視線を合わせて、じっと親の顔を見つめますが、自閉症の場合は視線を合わせようとしません。

親が笑いかけたり、あやしたりするとふつうは笑ったり喜んだりしますが、そうした反応がみられません。

一方で、おなかがすいたり、おむつがぬれたりしたときに、親の関心を引こうと、泣いて訴えることもしません。このように、親への愛着行動がみられないことが大きな特徴といえます。

 

3.特定のものへの執着

時間割や道順、物の位置、動作や作業の手順、行う場所など、さまざまなものに対するこだわりがあります。生活スケジュールなどもパターン化されているほうが安定した気持ちで取り組むことができます。習慣化された方法を変更しなければならなくなったり、予定外の事態が生じたりすると、不安や緊張が高まり、場合によってはパニックになることもあります。

 

4.感覚過敏(あるいは鈍麻)

音や光、温度、触られたときの感じ方などが、ふつうとは異なり、独特の感覚をもっています。きらいな音が聞こえると耳をふさいで大声を上げることがありますが、これは、通常とは違った聞こえ方をしており、本人にとって、ひどく不快であるからだと考えられています。小雨が体に当たっただけで痛がったり、頭をなでられたり、肩に手を置かれただけでも、激痛が走ると感じたりします。その一方で、温度や傷の痛みには鈍感なことがあります。真夏の炎天下で、衣服を何枚も着込みながら「まだ寒い」と感じたり、打ち身や切り傷があるのに、痛みを感じないため、けがに気がつかないことも