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自閉症の特徴②

5.指差ししない

幼い子どもが自分のほしいものを親に取ってほしいと思ったとき、「あれ取って」と言って、ほしいものの方向を指差しします。しかし、自閉症の子どもは、指差しをして要求することがあまりありません。

その代わりに、親の手首をつかんで、要求しているもののある所まで引っ張っていく行動がみられることがあります。こうした行為を、クレーンの「アーム」を操作する動きに似ていることから「クレーン現象」と呼んでいます。自分のほしいものを相手に伝えなければわかってもらえないということが理解できません。

自分がしてほしいと思ったことは、いちいち伝えなくても、自分以外の人にもわかってもらえているはずであるという思い込みがあるのです。

そのため、自分の要求を満たしてもらう行動を強く促そうと、相手の手首をつかんで連れて行くという行為に至るものと考えられています。

 

6.常同行動(繰り返し行動)

自閉症の子どもは、視覚・聴貨・触覚・味覚などの働き方がふつうの人とは異なっています。さらに、その独特の感じ方によって得られる刺激が本人にとっては好ましいものであるために、同じ刺激を受け続けようと、一定の行為(動作)を繰り返し行うことがあります。

このような行動を常同行動(繰り返し行動)といいます。

また、特定の刺激を受けることを好む行動であるという意味から、自己刺激行動とも呼ばれていますなると考えられています。

これらの常同行動は、他人の目には奇妙な行動としか映らないため、なかなか理解してもらえませんが、子どもが特定の刺激を受け続けたがることには、相応の理由があります。

多くの場合、緊張や不安を強いられたり、やりたくないことをやらされようとしたり、ひどく不快な思いをさせられたりしたときに、その状況から逃れて気持ちを安定させようとして常同行動をとると言われています。

つまり、常同行動がみられたときは、子ども自身がストレスを感じているのだと察することができます。

 

7.細部にこだわる

物事の全体を俯瞰的に見ることが苦手で、細部にこだわる傾向があるのも、自閉症の特徴のひとつです。

たとえば、おもちゃのミニカーを与えると、ふつうの子はそれを走らせて遊びますが、自閉症の子のなかには、ミニカーを片手に持ち、もう片方の手で、タイヤをくるくる回転させ、その様子を熱中して見入る子がいます。

ミニカーを「車のおもちゃ」ととらえて遊ぶのではなく、構造の一部分(タイヤ)のみに注目し、そのくるくる回るという動きを見ることにこだわるわけです。

このほか、掲示物が少し傾いて貼られている状態ががまんできずに、まっすぐに貼り直したり、机の位置が1cmでもずれていると気になって直したりといった行動をとることもあります。