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LDの特徴

1.音読が不得意

国語の授業で、教科書を音読するときなど、スラスラ読むことができず、一字一字たどりながら読んだり。音節で区切らずに、単語の途中で切って読んだりします。読み間違いも多く、「あ」と「お」、「め」と「ぬ」、「れ」と「わ」など、形の似た字を読み替えてしまったり、単語や行を飛ばして読んでしまったりすることがあります。

語尾なども、「……してしまいました」を「……しました」のように、適当に読み替えたりします。文字を目で追いながら、意味のあるまとまりにして理解し、それを音声に変換するというプロセスのどこかに、つまずいているためだと考えられます。

 

2.文字を正しく書けない

ひらがなやカタカナの場合は、たとえば「わ」と「れ」の間違い、「シ」と「ツ」の間違いというように、形の似ている別の字を書いてしまうことがあります。

また、「へ」と「く」のように、90度回転させると同じ形に見える字を書き間違えることや、左右を裏返したような「鏡文字」を書く子もいます。

漢字になると、さらに困難になり、偏は正しいがつくりが違ったり、横棒や縦棒を1本多く書いたり、少なく書いたりといった誤りが生じやすくなります。また、手本を見ながら、文字を書き写すことはできるが、手本を隠してしまうと書けないというケースもあります。

文字を正しく覚えることはでき、それを発音することはできるが、思い出して書くことができない子もいれば、文字を認知する段階で、誤った形で覚えてしまい、思い出して書くときにそのまま書いてしまう子もいます。

表面的な特徴だけをとらえれば、同じように「文字が正しく書けない」状態といえますが、脳の機能を細かくみれば、つまずきの箇所はひとりひとり異なっていると考えられます。

 

3.計算問題が苦手

LDのなかには、算数でつまずく子どももいます。小学校高学年になっても、簡単な足し算や引き算で指を使わなければならなかったり、計算の途中で足し算をしているのか引き算をしているのかわからなくなってしまったりします。繰り上がりや繰り下がりのある計算でミスをしやすく、暗算を苦手とする傾向があります。

筆算の方法などを一度覚えても、定着が悪く、しばらく時間がたっとやり方をすっかり忘れてしまっていることもあります。]

 

4.図形の理解が困難

図形の認知に困難を伴う子どももいます。図形を見て、同じ形のものを選んだり、同じ図形を書き写したりすることが難しい場合があります。特に、立体図形を読み取ることが難しく、見えない部分がどうなっているのかを想像することができない子もいます。

 

5.文章問題が解けない

算数のなかでも、特に文章題を不得意とする子どももいます。文章題の場合、文章を読んで、問題の意味を理解するところから始めなければなりませんが、ディスレクシアがあると、この段階でつまずいてしまいます。

また、問題の意味は理解できても、答えを導くためにどのような計算式を立てたらよいのかが、加減乗除の使い分けが的確に行えないために、わからないというケースもあります。