· 

ASDの子供との接し方

見てすぐ分かる環境に整える

漠然とした空間や時間の把握が難しい場合に、目で見て理解することが得意なお子さまには、イラストや写真を使って、手順や1日のスケジュールを明確にしたり、空間を目的に合わせて仕切ることで、何をする場所なのか分かりやすくしたりすると、行動しやすくなることがあると言われています。

 

指示は短く具体的に

「ちゃんと」や「きちんと」などのあいまいで抽象的な伝え方だと、人によって定義が異なり、特にアスペルガー症候群・高機能自閉症のあるお子さまには分かりづらいと言われています。例えば、「きちんと片づけてね」ではなく、「車を箱に入れて」と具体的に伝えるとお子さまが取り組みやすくなります。その他にも、「走らない」など否定的な伝え方ではなく、「歩こう」のように肯定的な伝え方だと何をしたらいいかが分かりやすくなります。

 

注意を引いて、事前に伝える

コミュニケーションを取るときに、口頭のみで伝えると、聞いていなかったり、聞こえていても注意が向いていないときがあります。そのため、肩を叩く、目を合わせてから話すなど、注意を引く工夫をすることで、伝えたいことを確実に伝えることができます。

できる行動に着目し、できない行動は事前・事後の関わりを工夫する対人コミュニケーションに困難さを感じるのは、どのように行動したりコミュニケーションを取ったりしたらよいかが分かりづらいためです。そのため、関わる側が、どのような行動をとったらよいかをその子にとって分かりやすく示すことが大切です。

また、うまく行動できた時は、直後にほめるなど、その子にとってうれしいと感じる場面を増やすことで行動の定着が促されると言われています。その子がいまできていることをほめたり、ハードルが高い行動を促すときは、段階的にできるように関わり方を工夫したりして、周りとスムーズにコミュニケーションを取れるようサポートしていきます。