· 

発達障害のある社員のための業務マニュアル:効果的な視覚表現の取り入れ方

こんにちは。発達障害支援アドバイザー協会代表理事の白石です。32年の福祉事業経験から、今日は発達障害のある方にとって分かりやすい業務マニュアルの作り方、特に視覚表現の活用方法についてお話しします。

視覚化の重要性

発達障害のある方の多くは、文字だけの説明よりも、視覚的な情報のほうが理解しやすい傾向があります。私の施設では、スーパーマーケットへの行き方を説明する際、「この角を右に曲がります」という文字での説明に加え、実際の風景写真を使用することで、より確実な理解につながっています。

効果的な視覚表現の基本

シンプルさを重視

視覚表現を入れれば入れるほど良いというわけではありません。特に視覚過敏のある方の場合、カラフルすぎる表現はかえって混乱を招くことがあります。必要最小限の視覚情報に絞り込むことが重要です。

実際の現場写真の活用

抽象的なイラストよりも、実際の作業場面の写真のほうが理解しやすいことが多いです。たとえば、物の置き場所を説明する際は、正しい配置の写真を実際の場所に貼っておくことで、誰でも同じように整理整頓ができるようになります。

具体的な活用例

手順書での活用

ある企業では、封筒の封入作業の手順書に、各工程の写真を添付しました。その結果、作業効率が大幅に向上し、ミスも激減したそうです。写真には矢印や番号を付け加え、作業の流れを明確に示すことがポイントでした。

スケジュール管理での活用

時間の管理も視覚化が効果的です。一日の予定を時間軸に沿って図示し、各作業のイメージ写真や図を添付することで、より分かりやすいスケジュール表となります。

視覚表現を取り入れる際の注意点

個人差への配慮

視覚表現の効果は個人によって異なります。本人と相談しながら、最も理解しやすい表現方法を見つけることが大切です。時には文字情報のみのほうが分かりやすい方もいます。

定期的な更新

作業環境や手順が変更された場合は、速やかに視覚資料も更新する必要があります。古い情報が残っていると混乱の原因となります。

より効果的な視覚表現のために

 

視覚表現を取り入れた業務マニュアルは、発達障害のある方だけでなく、全ての従業員にとって分かりやすいものとなります。より詳しい作成方法や、現場での具体的な活用例については、私たちが提供している60分のオンラインセミナーで詳しくご説明しています。VRを使った体験を通じて、発達障害のある方の視点からの理解も深めていただけます。