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発達障害のある社員を支える外部機関との連携:企業担当者が知っておくべきポイント

こんにちは。発達障害支援アドバイザー協会代表理事の白石です。32年の福祉事業経験から、今日は企業と外部支援機関との効果的な連携方法についてお話しします。

支援機関との連携が必要な理由

発達障害のある社員のサポートは、社内だけで完結させようとすると大きな負担となります。実際、マネジメント層が疲弊してしまうケースも少なくありません。適切な外部機関と連携することで、専門的な支援を受けながら、持続可能な職場環境を作ることができます。

連携できる主な外部機関

発達障害支援センター

各都道府県に最低1か所設置されている公的な相談窓口です。発達障害に関する困りごと全般の相談に対応し、適切な支援機関を紹介してくれます。企業からの相談も受け付けており、無料で利用できます。

ハローワーク

精神・発達障害者しごとサポーター養成講座を実施しています。90分程度のレクチャーで、発達障害の基礎知識や具体的な対応方法を学ぶことができます。また、発達障害者の雇用に関する助成金についての相談も可能です。

医療機関

社員の状態に応じて医療的なサポートが必要な場合もあります。特に、発達障害の方の53%は気分障害やうつ病を、59%は不安症を併発する可能性があるというデータもあり、医療機関との連携は重要な選択肢となります。

連携のポイント

支援機関との信頼関係構築

定期的な情報共有と、支援方針の擦り合わせが重要です。私の経験では、月1回程度の定期的な情報交換の機会を設けることで、より効果的な支援が可能になります。

プライバシーへの配慮

外部機関との連携では、個人情報の取り扱いに特に注意が必要です。本人の同意を得ることはもちろん、どの情報をどこまで共有するかを明確にしておくことが重要です。

具体的な連携の進め方

  1. 社内での課題整理

  2. 適切な支援機関の選定

  3. 初回相談(現状と課題の共有)

  4. 支援計画の策定

  5. 定期的なフォローアップ

支援制度の活用

発達障害者を雇用する企業向けの助成金制度もあります。半年ごとに最大120万円が支給される制度もありますので、こうした公的支援も積極的に活用することをお勧めします。

さらなる連携強化に向けて

 

外部機関との連携は、単なる問題解決だけでなく、職場全体の理解促進にもつながります。より詳しい連携方法や、現場での具体的な活用例については、私たちが提供している60分のオンラインセミナーで詳しくご説明しています。VRを使った体験を通じて、発達障害のある方の視点からの理解も深めていただけます。