こんにちは。発達障害支援アドバイザー協会代表理事の白石です。32年の福祉事業経験から、今日は発達障害のある方の業務量の適切な調整方法についてお話しします。
適切な業務量調整の重要性
発達障害のある方の中には、自身の限界を認識しにくかったり、周囲への遠慮から断れなかったりする方が少なくありません。その結果、過度な負荷がかかり、パフォーマンスが低下してしまうことがあります。
一方で、過度に業務を制限してしまうと、その方が持つ潜在的な能力を活かしきれない可能性もあります。適切な業務量の見極めが、本人の成長と組織の生産性の両方を支える重要な鍵となります。
業務量調整の具体的アプローチ
「25%ルール」の活用
私たちが実践している「25%ルール」は、業務量調整の有効な指標となります。新しい業務を始める際、まずは全体の25%程度の量から始め、成功体験を積み重ねていきます。この方法により、本人の自信とスキルを段階的に育てることができます。
視覚化による管理
発達障害のある方の多くは、視覚的な情報処理が得意です。そこで、タスクの進捗状況や残作業量を視覚的に示すことで、より適切な業務量の管理が可能になります。
成功事例から学ぶ
私の施設では、ある発達障害のある社員が前年比1100%の経常利益を実現しました。この成功の裏には、その方の処理能力を適切に見極め、段階的に業務量を調整していったことがあります。
具体的には、まず一つの業務に集中できる環境を整え、その業務で十分な成果を上げられるようになってから、徐々に新しい業務を追加していきました。
業務量調整の実践的なポイント
1. 継続的な観察とフィードバック
本人の状態や業務の質を継続的に観察し、適切なフィードバックを行います。この際、「できていない」ことを指摘するのではなく、「できている」ことを承認することが重要です。
2. 明確な優先順位付け
複数の業務を抱える場合、優先順位を明確にすることで、本人の混乱を防ぎます。その日のうちに終えるべき業務と、翌日以降に回せる業務を明確に区分けすることが有効です。
3. 柔軟な調整
日によって集中力や処理能力に波があることを理解し、柔軟に業務量を調整できる余地を持たせることが大切です。
マネージャーが陥りやすい罠
過度な期待や過小評価は、適切な業務量調整の妨げとなります。発達障害のある方の特性を理解し、その方の持つ能力を最大限に引き出せる環境づくりが重要です。
より効果的な業務量調整のために
業務量の調整方法や、現場での具体的な活用例については、私たちが提供している60分のオンラインセミナーで詳しくご説明しています。VRを使った体験を通じて、発達障害のある方の視点からの理解も深めていただけます。